結婚式の着物、「浴衣はダメ?」との質問。
先日、会社の新人さんから「結婚式に浴衣って着ちゃダメなんですか?」という質問を受けてしまいました。
友達の結婚式パーティーに、新しい浴衣をおろしたい。
でもお母さんが反対するんです…とのこと。
うーん、これは確かにお母さんの気持がわかります。
着物の中でも浴衣というのは「下着」に近い存在。
最近は浴衣を小紋風に着るのが流行していて、帯留めや帯上げを付け、足袋も履いて「パッと見は単の着物」というふうに着る人も多いですよね。
それでもやはり「浴衣は浴衣」という感覚は依然として存在しています。
新人さんも「浴衣って言っても着物風の着こなしなので、問題ないかと思った…」とのことなのですが、とりあえず洋服感覚に喩えて話してみました。
「浴衣というのは、言ってみればTシャツとか、タンクトップみたいなものなんですよ。」と。
Tシャツとかタンクトップって、元々はこちらも「下着」「肌着」ですよね。
今ではTシャツもおしゃれなものがたくさんありますし、一枚で着るのももちろんOKです。
でもTシャツで良いレストランに行く人は居ないですし、ましてやTシャツで結婚式やお葬式に出る人は居ないはず。
浴衣で格式のあるパーティーに出るというのは、つまり「Tシャツ・すっぴんで結婚式にやってくる」と言った感覚を人に与えるものなのです。
そのため「周りの人がダメージジーンズにキャミソール、タンクトップ等のラフな格好で来るという集まりならば、浴衣でも良いと思いますよ。」
「でもワンピースやシャツにネクタイという人の中に浴衣の人が居たら、ヘンと思う人も多いと思いますよ。」
というアドバイスをしてみました。
新人さんも納得された様子。
洋服のドレスコードの感覚で着物の話をすると、若い世代の人にも理解してもらいやすいな、と感じた出来事でした。
和服の場合も最近はレンタル着物なども一般的になってきたようなので、利用するのもいいかと思いますね。